JAOS認定・総合診療歯科医取得コース(第八回) 顎関節症・口腔心身症シリーズ④:困った患者さんの診方とその対応

「困った患者さん」というと、クレーマーやモンスターペイシェントを思い浮かべるかもしれません。もちろん心身医学的問題を抱えた患者さんへの対応は注意が必要です。ただ「困った患者さん」を医療者が作り上げているのも事実です。患者さんが歯科を訪れる理由は痛いからというのはもちろんですが、その根底には不安が隠れているのを忘れてはいけません。つまり医療者として、この不安に対しどのようにアプローチできるかが、普通の患者さんを「困った患者さん」にしてしまうかどうかの分かれ目となります。そこには患者さんを思いやる心、そしていかに客観的に自分を見ることができるか、それを生かすためのコミュニケーションスキルや医療面接の手法、そして得られた情報を医院全体で共有するチーム医療も大切となります。もちろん対応できない患者さんを見分けることも必要です。今回のセミナーでは「困った患者さん」の見方と対応法について、漢方的な見方、実際の臨床例を交えて解説させていただきます。