JAOS認定・総合診療歯科医取得コース（第４回）口腔漢方３ー歯科における漢方治療ー

柿木保明先生
動物は、生息地の環境に応じて、防御反応を行いながら生命活動を維持します。この防御反応は、五感を駆使して行われますが、時には、生命維持のために色々な身体症状が発現します。
臨床的には、このような生体反応のメカニズムを理解することが大切ですが、漢方医学はこのような身体の変化を捉えて、治すのに優れています。
特に、舌所見の診断は、粘膜の状態や、微小血液循環、水分代謝機能、生体反応の状態を把握するのに優れています。
今回は、舌診の西洋医学的な解釈に加えて、臨床で用いられる漢方薬の歯科臨床における応用方法を中心に、お話します。
漢方入門シリーズ３回目となります今回は、現代の歯科診療と漢方診断に、どのように舌診を応用するかについて、お話ししたいと思います。方剤は五苓散、白虎加人参湯について解説します。歯科領域では、五苓散と白虎加人参湯はともに「口渇」に対して処方される漢方です。
ただし、「口渇」という同じ症状でも、「証」が違えば、当然、処方する漢方薬も違ってきます。
五苓散は水滞（水毒）を改善する利水剤で、白虎加人参湯は熱証を改善する清熱剤です。
今回この二つの漢方について「証」を理解して処方できるように処方解説をおこないます。

品川隆先生
「口腔乾燥と補剤」
漢方では口腔乾燥を「口渇」と「口乾」に分けて考えることが重要である。
口腔乾燥症に対して、効能に「口渇」の記載がある漢方薬だけでなく、虚証の「口乾」に対しては補剤を用いる場合がある。
今回は口腔乾燥に補剤が有用であった症例を提示して随証治療を解説します。

時間割
9:00-12:00：オンラインセミナー口腔漢方①
柿木保明先生（80分）
品川隆先生（60分）
質疑応答（20分）
12:45-14:00：  症例検討：証の見立ての実際
座長：渡辺 秀司先生

オンライン総説論文(P1-P15)をダウンロードして、参考資料として閲覧ください。
(渡辺先生がmedicinesで掲載：歯科漢方のReview)

■特記事項
①オンライン受講は午前講義のみ
※現地受講は午後講義あり
②現地受講者で症例相談を希望の場合は事前資料提出のこと
※簡単な問診表を送付、返信していただきます。
③テキスト配布について
・総合診療歯科医取得コースの通年申込をされている方
・会場受講の方
・オンデマンド研修会員に登録されている方
上記、いずれかの条件を満たしている方にテキストを配布いたします。
オンライン単回受講の場合にはテキストの配布はございませんので予めご了承ください。

品川隆先生　東京大学医学部口腔顎顔面外科・矯正歯科客員研究員、九州歯科大学非常勤講師、横浜歯科漢方研究会副会長