JAOS認定・総合診療歯科医取得コース（第5回）口腔漢方講座・特別編

柿木保明先生
歯科臨床に病態を考慮した漢方診療を応用する
近年、治りにくい口腔症状を訴える患者さんが増えているように感じます。特に顎関節症や咬合違和感、舌痛症、義歯不適合等と、それに関連した身体症状も増えているようです。
動物は、生息地の環境に応じて、防御反応を行いながら生命活動を維持して進化してきました。この防御反応は、五感を駆使して行われますが、時には、生命維持のために色々な身体症状が発現します。とくに、ストレス反応は、生き延びるために進化してきた生体反応で、逃亡や闘争の行動を起こすために、血液を筋肉、心臓、脳に急激に増加させて供給します。しかしながら、現代の社会生活では、逃亡や闘争といった行動を起こす場面がないために、筋肉内血液量の増加のみが生じて、筋肉の浮腫みとコリが生じることになり、様々な症状を呈することになります。これが、繰り返す治りにくい口腔症状となって発現します。これに、多剤服用、水分過剰、超加工食品の摂取、運動不足、寝たきりなどで、身体の生体反応が影響を受けて、正常な生体反応ができなくなっている患者も多くみられます。
臨床的には、このような生体反応のメカニズムを理解することが大切で、漢方医学はこのような身体の変化を捉えて、治療するのに優れています。特に、舌診と呼ばれる舌所見の観察・診断は、粘膜の状態や、微小血液循環、水分代謝機能、生体反応の状態を把握するのに役立ちます。
今回は、歯科臨床の現場で、治りにくい口腔症状の病態を考慮して、改善する漢方診療の手順について解説したいと思います。

品川隆先生
症例「口腔乾燥と補剤」
口腔乾燥症に対して、効能に「口渇」の記載がある漢方薬だけでなく、虚証の「口乾」に対しては補剤を用いる場合がある。
口腔乾燥に補中益気湯が有用であった症例を提示して随証治療を解説します。

渡辺秀司先生
-歯科漢方での口腔乾燥症の保険適応漢方薬について-
口腔乾燥症は、口腔内の乾燥や唾液分泌の低下のために起こります。
漢方薬は口渇と口乾の症状で使い分けしますが、その患者さんの背景を知ることが大切です。
適応漢方薬について症例を提示解説したいと思います。

時間割
9:00-13:00：オンラインセミナー口腔漢方講座・特別編
品川隆先生（30分）
柿木保明先生（120分）
渡辺秀司先生（30分）
質疑応答（25分）
※会場参加の方に限り症例相談がありましたら事前にご連絡ください。
内容によっては時間変更の場合もございます。

■特記事項
テキストについて
会場受講の方で通期受講の場合：受講費用に込み
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・必要な方には実費で販売
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品川隆先生　　東京大学医学部顎顔面外科・矯正歯科客員研究員

渡辺秀司先生　神奈川歯科大学特任教授、横浜歯科漢方研究会会長、横浜薬科大学客員教授