JAOS認定・総合診療歯科医取得コース（第2回）心身症講座　医科・歯科連携

1．困った患者さんの診方とその対応
（歯科医師が精神科への紹介を考える時）
島田 淳先生
「困った患者さん」というと、クレーマーやモンスターペイシェントを思い浮かべると思います。もちろん悪意を持った相手に対する対応を知っておかなければいけませんが、心身医学的問題を抱えた患者さんへの対応についても理解しておくが必要あります。
現在、世の中が多様化していく中で「困った患者さん」は増えていると言われています。
しかしその一方で「困った患者さん」を医療者が作り上げているのも事実です。患者さんが歯科を訪れる理由は痛いからというのはもちろんですが、その根底には不安が隠れているのを忘れてはいけません。つまり医療者として、この不安に対しどのようにアプローチできるかが、普通の患者さんを「困った患者さん」にしてしまうかどうかの分かれ目となります。
そこには患者さんを思いやる心、コミュニケーションスキルや医療面接の手法、そして得られた情報を医院全体で共有するチーム医療も大切となります。そしてその上で対応できない患者さんを見分け、精神科など高次医療機関へ紹介することも考える必要があります。
今回の講演では「困った患者さんの診方とその対応」そして精神科への紹介について解説したいと思います。

２．精神医学的対応が有用と思われる症状、症例と連携
宮地英雄先生
歯科診療を行っていると、形態的には問題なく治療を進めていても、不具合を訴えてくる患者さんがいます。このような場合問題点はいくつか考えられます。大まかには、患者さん側の問題、治療者側の問題と分けて考えるべきでしょう。どちらの問題にしても、「感覚」をキーワードに考えていくとよいと思います。「感覚」の評価は、さまざまな検査とともに適切な問診がカギになります。
心理的精神的社会的な問題が身体的問題と密接に関与する「病態」に、「心身症」があります。歯科領域にも「心身症」は存在します。この「心身症」は、多く誤って解されているようです。対応を誤らないためにも、正しく理解する必要があります。「心身症」のほかにも、身体症状に関与する精神医学的問題もありますので、解説したいと思います。
最後に、精神科医との連携についても、精神科医の立場から話をしたいと思います。

３．質疑
精神科との連携を考えるようなお悩みの症例があれば相談ください。

時間割
9:00-13:00：オンラインセミナー
島田 淳先生（90分）
宮地英雄先生（90分）
質疑応答（20分）
※会場参加の方に限り症例相談がありましたら事前にご連絡ください。
内容によっては時間変更の場合もございます。

■特記事項
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宮地英雄先生　こころのホスピタル町田院長/精神保健指定医