静菌療法研究会
協働組織である静菌療法研究会の案内ページです。詳しくは静菌療法研究会ホームページならびに担当事務局にお尋ねください。
事業コンセプト
口腔内に装着する義歯(入れ歯)を静菌化させることで口内の細菌叢を常に良好なバランスに保つ新素材の開発に株式会社スタティックジャパン(神奈川県)が成功いたしました。静菌化された義歯や機能性マウスピースを装着することで、歯科医院での歯面清掃後の状態を次の清掃までの期間、口内の悪玉菌の増殖を阻害することができます。結果として歯周病、虫歯予防が期待できます。
本事業ではそれらの研究と普及において協力しています。
「静菌とは」
微生物の増殖が阻害された状態のこと。静菌は微生物の増殖可能な条件下での現象であり菌を死滅させる殺菌とは違う。
静菌材料「静菌AD-PSJ」
株式会社アドックス(東京都)が開発した抗菌剤adoxピーエスジェイ(特許取得済)を歯科領域に使用できるように安全試験と物性試験を行い薬事承認を取得(クラス1)した粉体です。歯科治療で使用されている義歯用樹脂、マウスピース用樹脂に添加しても材料特性に変化を与えず、静菌効果を得られる歯科専用材料です。また、金属以外の歯科材料に添加した場合の物性変化、静菌効果についても研究・応用を進めています。
「静菌AD-PSJ」は殺菌剤のように細菌の核までを破壊せず、周りにある細胞壁のみを壊すこともわかりました。また、歯周病やむし歯のない人の口の中にも多くいる、グラム陽性菌には作用しないことも明らかになりました。
歯科材料における抗菌化の発想は目新しいものではありません。例えば、抗菌作用のある銀をレジンに入れる方法。これは銀が高価であるため普及しませんでした。酸化チタンも注目されましたが、光を当てないと菌の増殖を抑える効果が働かないなどの欠点がありました。また、義歯や被せものが変形しやすいものや、口の中の唾液で溶けてしまう材料も使えません。研究の結果、「静菌AD-PSJ」はそれらの欠点を払しょくすることがわかり薬事承認を取得し歯科への応用をすることになりました。
P. gingivalis細菌懸濁液に1.0% 濃度となるようアドックス粉末を添加し、24時間培養を行った。作用時間1時間、3時間、6時間、9時間、12時間、24時間の時点で生菌数を測定した。AD-PSJ無添加と比較して経時的な生菌数の減少が認められた。
P. gingivalisは歯周病原因細菌のひとつ。
■静菌AD-PSJに関する資料
資料1
■抗菌剤Adoxに関する資料
Adoxによる新型コロナウイルスの不活性化確認(滋賀医科大学プレスリリース)
株式会社アドックス
東京都台東区東上野6-2-3 エクシードビル4F
ホームページ:https://adox.co.jp
静菌療法研究会
静菌AD-PSJを配合した静菌義歯、機能性マウスピースのほか、市販歯科材料への応用について研究しています。
・冠用(被せもの)材料
・充填材(詰め物)
・接着剤(歯と冠、充填材の接着)
歯科医師、歯科技工士のアイディアで様々な歯科材料、歯科治療に応用することを目指しています。
口腔常在菌による感染症は、病原菌と生体の抵抗力との均衡状態が破れることで、微生物が局所で増殖することが発症に関わります。この均衡状態を健全な状態に保つことに寄与する新材料を臨床家の皆様に導入いただくことで、口腔感染症に対する新しい歯科治療法の確立を目的として研究会を発足させました。
■入会方法
株式会社スタティックジャパンホームページからお申し込みください。
■会員登録費・年会費
無料
■会員種別
一般会員ならびにプレミアム会員
■入会条件
一般会員:歯科医師、歯科技工士、歯科衛生士
プレミアム会員:歯科医師、歯科技工士